第10回 円高とCO2

Last updated: 2009年 11月 29日 日曜日 - Save & Share - One Comment

急激な円高が進んでいる、先週の金曜日時点で84円!!
ドバイの政府系リーゾート会社の支払い繰り延べから端を発し、ユーロへの資金が円に向かったとのこと。
アメリカも輸出で稼ごうとしているからドル安はちょうどいいと黙認。
今後、まだまだ、円高が続く可能性は大のような気がする。
そうすると、製造業の輸出で成り立っている日本では、国内生産をこれ以上続けていくことは流石に難しくなってくるのではと心配である。

一方で日本のCO2削減目標1990年比25%。
これに向けて環境税などの創設など着々といろいろな動きがで始めている。
この目標は、崇高な理念であることは十分理解しているし、いち国民としては協力したいと思う。
今現在、企業は、業界で自主目標を決めてCO2削減を進めていっているが、本当に25%削減となると、この自主目標だと実現不可能であることは間違いない。25%とは半端ではない目標なのである。
そうすると、EUなどで進められているキャップ&トレード、つまり、企業に強制的にCO2排出の枠をはめて、それが達成できそうになかったら、他社から購入する制度を作り、強力に推し進めていくしかなくなる。
当然大きな削減目標になるから、自国のトレードでは足りなくなり、他国の企業から大量の排出権を購入しなければならなくなるであろう。それができなければ、結果、多額の税金を使い、日本国が排出権を買わなければいけないことになる。
どちらにしても、工場を国内で稼働させると、CO2削減の問題が大きな「おカネ」の問題になるのである。

つまり、円高や、CO2削減をすすめれば進めるほど、企業は、日本から逃げていく??
工場を日本で稼働させ、海外に売れば円高でダメージ、そして、CO2の排出枠を達成できないために、工場の海外移転・・・、またもや空洞化が始まるかもしれない。
結果、日本では、雇用が生まれなくなるのである。
今でも、40歳以上の方が転職をしようとしても、恐ろしいほどの逆風。
来年度の新卒の内定もまだ三分の二しか決まっていない。高校生はもっと大変な状況。
これからどうなるのか・・。

近い未来を見据えて、日本はどうするべきか、評論ばかりしていないで、対策を急がないととんでもないことになる。
一番重要なことは、「雇用」である。従業員の雇用の維持(家族を守ること)と中高年の活用であると思う。
職がないのはその人の責任だという人もいる。
だけど、このグローバル経済のなかで起こっている変化を、その人の責任に押し付けることは無謀すぎる。

私は焦らない性格ではあるが、今回ばかりは、最近肌でいろいろな怖さを感じている。
自分には何ができるかを、真剣に考えたい。

Posted in 近未来 • • Top Of Page

One Response to “第10回 円高とCO2”

Comment from 夢の実現に向けて
Time 2009年12月7日 at 3:35 PM

まさしく大きな問題でありますね。
自身の政権と特権で後世の事は絵空事。

本気で日本のビジョンを考える人達が今一番
結束する時だと思います。
大なり小なりそのような考えを持っている人は
実は多いはず。きっかけの場を誰かがアクセル
する時期だと思います。
それが小袋さんだと、、、思います。

もちろん私もその一人になりたいです!